オタクが女を纏った日

皆さんこんにちは、僕です。たとえ僕が回さなかったとしても他の誰かが回すだけの歯車を日々回して生きています。そんな誰も見向きもしないような物語の途中で少しだけスタンダードから外れた事をしてみました。それはメイクです。メンズメイクではなく女装メイクです。僕の人生においてメイクをした経験は無かったので十分に物語のトピックになる題材です。なのでここに書き残しておきたいと思います。

 

*女装をしようと思ったきっかけ

僕には好きな人がいます。その人はコスメが好きでよく雑誌や動画などで紹介をしています。僕は推しと同じ物を持っているというだけで優越感に浸れる人間なのでかわいいなと思ったものを買い集めていました。一通り買い集めたコスメを押し入れにしまおうとした僕の心にある想いがよぎりました。それはこの子たちが使われずに劣化しいずれ捨てられていくのではないかという恐怖でした。きっと誰かが世界を少しだけ美しくするために丁寧に作り上げ、きっと僕が買わなければ他の誰かが世界を少しだけ華やかにしていたであろう、誰かの美の根源となることを夢見て生まれてきたこの子たちが役目を遂行できないのはとても悲しいことなのではないのかとそう思いました。本当は前から興味があったので推しと同じコスメも買えるしついでにできるやんと思いやってみました。

 

 

*女体化の流れ

まずシャワーを浴びました。気持ちよかったです。それから顔を洗って化粧水を染み込ませました。

 

*カラーコンタクト

僕はコンタクトを入れるのが世界で一番下手だと言われているのですが今回も期待を裏切らず、うまく入らず何回も入れ直す事となりました。最終的に右目には入りませんでした。

 

*化粧下地

特にありません。薬を塗っているみたいでした。

 

*ファンデーション

リキッドタイプのやつを買ったのですが詰め替え用だったのか分からないですけど指に出してもすぐ流れていくので大変でした。

 

*フェイスパウダー

これも間違えて詰め替え用を買ってしまったので別売りのパフ?付きのケースを買いました。「これ詰め替え用やんwwwww」って母親に笑われました。

 

*アイブロウ

めちゃくちゃむずかしい。なんか型みたいなの使うといいっぽいんですけど使わずにやってみたらとにかくむずかしい。これ多分2年くらいやらないと左右対象の眉にはならん。

 

*アイシャドウ

これはいいですね。塗れば塗るほど結果が目に見えて分かります。もっと塗ってもよかった。

 

*アイライナー

これガチ分からん。まつ毛の付け根?の部分に塗るんですよねこれ。僕は奥二重なのですが塗った後顔をスッとしたら塗った部分全部隠れました。しかもアイシャドウ様を塗ったところにはみでたりしてめちゃくちゃ難しい。あとこれは目周り全部に通じるんですけど左目を右手でやろうとすると右目が腕で隠れてしまって鏡がうまく見えなかったです。ちなみに僕の左手はモハメド・サラーの右足みたいなもんです。

 

*ビューラー

なんか上手いこと目の奥までビューラーが入り込まなかったです。目の周りの骨格がおかしいんですかね。結局頑張ってはみたもののそこまでポジティブ☆ダンスタイム!みたいな上向きなまつ毛は出来上がりませんでした。

 

*マスカラ

これがまつ毛を固定させる?物だと知らなくてちまちま塗ってたらいつの間にか毛と毛が仲良くくっついてしまってがっかりしました。気になる人と2人で会うのは恥ずかしいからお互い友達呼んで4人で遊ぼうってなって結果友達と気になる人が付き合ってしまった"事故恋のキューピット"みたいな気分ですかね。違いました。

 

*チーク

これはいいですね。簡単だし塗れば塗るほど結果が目に見えて分かるので。もうぱふぱふし過ぎておたふくかよって思われるレベルにしてもよかったくらいです。

 

*リップ

これもいいですね。なんてったって塗れば塗るほど結果が目に見えて分かるので。結局これが1番女体化してるって感じがして気持ちよかったですね。もう塗ってる間は今まで感じたことのない気分になりついつい塗り過ぎてしまうところでした。よく小さい子が親の真似してリップ使ってルージュラみたいになってる写真とかありますけどあれになりかけました。

 

*洋服

とりあえず女装するなら最初は絶対にゴスロリしかないと決めていたのでアンドロミオさんでドレスワンピース?を購入しました。もうこれ着るときの高揚感ったら人生で今後味わえないかもしれないってくらい興奮しました。とにかく背徳感がすごい。着方が分からなかったのでとりあえず背中のチャックを開けて首元から足を入れてそのまま服を上に上げる形で着たのですが足を入れた瞬間からそこはもう楽園でした。

 

*ウィッグ

Amazonで買いましたが安物だからかそれともウィッグとはそういう物なのか分かりませんがとにかく毛が大暴れ。しかも買った時に付いてたヘアネットを捨ててしまったみたいで地毛にそのまま被ったのではみ出さないようにするのが大変でした。あと女性と男性は毛の生え方が違うのかそれとも単純に僕の頭が大きいのか分かりませんがどの位置につけるのがいいのか分からなかったのでだいぶつむじが前にきてしまったような気がします。そのせいか前髪も目が覆い被さるくらい長かったので切ったらめちゃくちゃジグザグになってしまい残念な気持ちになりました。色合いは洋服に合いそうなものを選んだつもりです。

 

*女装をしてみて

まず初めにとても楽しかったです。上手くメイクができたとは思いませんがそれでもだんだんと自分が可愛くなっていくのを見られるのはとても気持ちの良いものでした。それと同時にとても大変でした。もう本当に大変。アイライナー終わった後めちゃくちゃ大変だったのに鏡見て最初に出た一言が「これだけ!?」でした。でもどこを見ても必須みたいだったのでとても重要な作業なのでしょう。そういうぱっと見じゃ分からない部分にもとても労力がかかっているんだなと思いました。終わってから時計を見たらだいぶ時間も経っていたしコスメの一つ一つも決して安くはなくメイクを落とすのも楽ではありませんでした。それだけの労力と時間とお金、そして可愛くなりたいという向上心がメイクには詰まっているんだと実感しました。もっと可愛くなるためにこれからもメイクに挑戦していきたいです。